Archive for 7月, 2010

上海万博より東京ディズニーランドに行きたい!中国で日本旅行ブーム

 2010年7月9日、上海万博で人ごみに疲れるより、東京ディズニーランドで遊びたいと考える中国人が増えている。7月1日から個人観光ビザの発給要件が緩和されたことも大きな要因だが、どうやら日本の魅力はそれだけではないようだ。華字紙・日本新華僑報が伝えた。

 1日から中国人向け個人観光ビザの発給要件が緩和され、富裕層に限られていた発給が中間層にまで拡大された。09年の訪日中国人観光客は延べ101万人だったが、これにより13年には延べ390万人、16年には延べ600万人にまで増えることが期待されている。また、7月の訪日中国人客数は、緩和効果が早くも出始めたのか前年同期比40~50%増に達する見込みだ。

 しかし、日本への旅行がブームを迎えつつある背景にはビザの緩和だけでなく、「行きたい」と思わせるだけの十分な魅力があるようだ。まずは、観光地。国土の広さと名所旧跡の数からすれば、かえって中国の方が見どころ満載のように感じるが、日本の観光地の方が簡素ながらも日本独特の文化を体験することが出来て良いのだという。中国の観光地はどこも似たり寄ったりで面白みに欠けるらしい。

 それに、何といってもサービスが違う。至るところに中国語が話せる従業員が配置されており、言葉の問題もほとんどない。温かい笑顔と心のこもったサービスは、今の中国の観光地では決して味わえないものだ。そして、買い物目当ての客にとって1番の魅力は日本の家電やファッション、化粧品。お土産といえば工芸品しかない中国の観光地とはえらい違いなのだろう。

 日本に続き韓国も、中国人向け個人観光ビザの発給要件を緩和する方針を固めている。中国人客をめぐる争奪戦はますます激しさを増しているが、その反面、中国国内の観光地は客を奪い返す作戦を練る必要がありそうだ。

中国の消費型社会への完全移行、少なくともあと3~4年

 2010年7月7日、環球時報によると、仏ル・モンド紙は2日、上海などの若者が中国の巨大な消費を生んでいると報じた。「一人っ子世代」の代表格である彼らは、親や社会から「無駄遣いや浪費が多い」と叩かれがちだが、近い将来の「消費型社会」を担う存在となっている。

 2010年第1四半期(1-3月)、中国の経済成長率は11.9%に達したが、その発展モデルは主に工業分野に依存しており、消費によるものではないことが懸念されている。経済だけの一人歩きを抑止するべく、中国政府は2005年から人々に消費を促し、貯蓄を抑えるような政策を続けている。その結果、中国都市部の若者の価値観は、貯蓄を最優先する伝統的な考え方とはかけ離れたものとなり、市場全体へ影響を及ぼすほどの存在になった。

 中国政府は現在、北京や上海と比べて消費に関する考え方が10年は遅れているとされる中小規模の地方都市においても消費を促す政策を進めている。中国が消費型社会に完全に移行するまでには最も条件が整った状態でもあと3~4年はかかると経済学者は見ているという。

子供の習い事、日本に比べて中国の母親は非常に熱心

 矢野経済研究所が行った日本と中国の未就学児を持つ母親へのアンケート調査で、習い事の状況を見てみると、日本では57.1%と半数以上が習い事をしていないのに対して、中国では習い事をしていないとしたのは12%にとどまった。中国では、子供に複数の習い事をさせているケースが日本よりも多く、日本と比べて中国では早期教育に熱心であることがわかったという。

 習い事を「一つしている」との回答は、日本で27.2%に対して、中国では46.7%。「二つしている」も、日本が12.7%に対して、中国では34.0%となっている。

 習い事の種類として、中国では「幼児教室(知育など)」が31.8%と最も高いのに対して、日本では「水泳」が35.2%となった。中国でも「水泳」が22.0%と少なくはないが、矢野経済総合研究所では、日本ほど定着していないようだとみている。「語学・外国語会話」は日中ともに20.5%。

 この調査は、2010年5月に、日本では全国の3歳~6歳の未就学児をもつ母親489人に、中国では北京・上海の3歳~6歳の未就学児をもつ母親150人に対してそれぞれインターネットで聞いたもの。

インドの製造業、中国を抜き世界一への野望

 2010年7月3日、米国際競争力委員会と世界4大会計事務所の一つデロイト・トウシュ・トーマツ(DTT)が合同で6月24日に発表した「2010世界製造業競争力指数」によると、 今後5年間は、中国とインドが安定して世界における製造業の競争力の1、2位を争い続けるという。国際在線が伝えた。

 インド紙ザ・タイムズ・オブ・インディアは、中国経済の発展は加工業を基盤とし、独自の技術開発能力に欠けていると指摘。中国政府は自国の商品に競争力をもたせるため長期にわたり人民元を低く抑えてきたが、このようなやり方では長期的に競争力を維持することはできないと論じた。さらに同紙は、内需拡大という優位性をもつインドが中国に代わって世界の製造業の中心となるだろうとの見通しを示した。

 80年代、中国はインドに先駆けて経済改革を実行し、計画経済から市場経済へと舵を切った。インドは遅れて91年に経済改革に乗り出したが、この時間差によって、投資、市場、人材などの分野でインドは常に中国を後から追いかける形となっていた。これも、インドが中国を重視し中国を研究する大きな理由だと同紙(国際在線)は見る。

 しかし、「インド経済は、構造においても規模においても中国とまだ歴然とした差がある」と同紙は指摘。道路、電力、行政における効率など脆弱なインフラも致命的な弱点となっているという。

上海万博開催効果、中国の若者は「大国としての素養」を身につけた

 2010年7月5日、上海万博の開催で、中国の若者は「国際的な視野が持てるようになった」と考える人が7割以上に上ることが分かった。中国青年報が伝えた。

 中国青年報社会調査センターがオンライン調査会社・題客調査網を通じて全国31の省(市・区)の計2万280人を対象に「上海万博が中国の若者に与えた影響」について質問をした。その結果、「国際的な視野が持てるようになった」が71.7%で最多。これに続き、「科学技術に関する知識が増えた」(61.9%)、「イノベーション意識が強まった」(42.7%)、「国情理解に役立った」(41.9%)、「マナーが向上した」(41.7%)などが挙がった。

 また、上海万博会場の若者について、最も印象深いことは「ボランティア」(59.9%)が最多。次に「列に並ぶなどマナーが良くなった」(34.6%)、「高級品を買っていた」(29.0%)、「スタンプラリー族」(27.2%)、「身体障害者を装うなどのマナー違反」(24.8%)などが続いた。

日本観光ビザ発給要件が大幅緩和、年収基準は下がるも条件は逆に厳しく?―中国紙

 2010年7月3日、環球時報によると、7月1日から北京市、広州市、上海市で日本観光ビザの発給要件が大幅に緩和された。最大の変化は、発給の条件となる年収の25万元(約324万円)が6万元(約78万円)にまで引き下げられたことだ。

 しかしある関係者は、「日本の個人旅行には、ビザ申請や航空券・ホテルの予約を日本領事館が指定した旅行代理店を通さなければならないなど、まだ多くの規制が存在する」と指摘。年収の基準が6万元に下がったとはいえ、これは(ビザ発給審査のための)参考に過ぎず、まだまだ多くの壁があるという。同関係者は、所得基準が下がっても、実際の手続きにおいてビザを取得しやすくなるわけではないとも指摘した。

 たとえば、個人旅行ビザ発給の「細則」は、「一定程度以上の職業上の地位と経済能力」が求められるとしているが、具体的には「大中規模の国有企業に1年以上在籍する正社員か高級管理職、あるいは国内外の証券市場に上場した企業に1年以上在籍する正社員など」でなければ同ビザを申請できない。それ以外に、年収6万元(約78万円)以上のクレジットカードのゴールドカードを所持者あるいは年収10万元(約130万円)以上の者も申請できるとされている。

 また、日本への自由旅行が解禁されたとはいっても、日本の友人宅に宿泊したり、自由な旅行を満喫したりといったことは、まだできそうにない様だ。

万博国際事務局が上海万博に高い評価、「アフリカ諸国にも夢を与えた」

 2010年7月3日、パリで博覧会国際事務局(BIE)の第147回総会が行われたが、同事務局は、現在開催中の上海万博の実行組織の働きに十分な評価を与えたという。解放日報が伝えた。

 記事によると、総会では中国代表団が上海万博開催の2か月間の経過報告を発表。中国側代表者・中国国際貿易促進委員会の王錦珍(ワン・ジンジェン)副会長は、8年の努力を経てついに上海で万博が開催された。調和のとれた社会と安全という理念が体現されたものとなった。入場者はもちろん世界各国・各組織の支えがあってこそだ」などと語った。

 同事務局のロセルタレス事務局長は、上海万博の開催がアフリカ諸国に感動と夢を与えたと指摘。たとえばモーリタニア代表は中国に謝辞を述べ、「上海万博を成功させた中国に、心から感謝の意を表したい」と語った。同事務局長は、上海万博を通して彼らは、夢が現実となることを見たのではないか、との見解を示している。

新日石がペトロチャイナと合弁会社、アジアでの販売強化狙う

 新日本石油株式会社(新日石)は6月29日、中国石油天然気集団公司(ペトロチャイナ)と合弁会社を設立し、中国などアジア・太平洋地域へ石油製品を輸出することで基本合意したと発表した。中国網日本語版(チャイナネット)が伝えた。

 共同通信によると、新日石傘下の大阪製油所を10月1日に両社の合弁会社に切り替えて新会社を設立する。出資比率は中国側が49%、日本側が51%。新会社がペトロチャイナの提供する原油を軽油やジェット燃料などに加工し、ペトロチャイナがアジアなどで販売する。新日石はペトロチャイナの強大な販売網によって、アジア市場への輸出を拡大したいとしている。

 両社は2008年5月に合弁会社設立の計画を進めていたが、アジアの石油市場の低迷により設立が長引いていた。

7月の上海に猛暑到来、上海万博は暑さ対策に追われる

 上海万博局の洪浩局長は6月30日に開かれた記者会見で、「7月、上海は1年でもっとも暑い季節を迎える。上海万博局は園内の暑さ防止対策をすでに強化しており、今後も観光客により良いサービスを提供する」と発表した。中国国際放送局が伝えた。

 洪浩局長はまた、「現在、園内には1万7000以上のベンチと、日よけのために1万2000以上のパラソルがある。関係部門は今後、扇風機などを設置して、高温の影響を緩和させる」と述べた。

中国人観光客へのビザ緩和が開始、旺盛な消費意欲に期待

 観光などを目的に訪日する中国人の個人観光ビザ発給条件が、7月1日より大幅に引き下げられる。これに対し、中国の英字紙「チャイナデイリー」は、多くの外国人観光客の受け入れを通じて、日本は疲弊した経済を活性化させたいとの意図があると報じた。

 日本政府は中国人の個人観光ビザの発給条件を従来の年収25万元(約327万円)から年収6万元(約79万円)にまで緩和するほか、北京、上海、広州の3都市に限定して行われていたビザ発給も、重慶、瀋陽、青島、大連を含めた7都市にまで拡大する。

 岡田克也外相は、中国人への個人観光ビザの発給緩和の意図について、「発給対象を富裕層から中流層にまで拡大することによって、中国人の訪日観光客数を1600万人にまで伸ばしたい」と語った。日本観光庁の最新統計によれば、2010年の訪日中国人数は昨年同期比で86%増となっており、今年1年間で150万人の中国人観光客が訪日すると見込まれている。

 一方の中国人観光客にとって、日本を訪れるうえで避けて通れないのは「ショッピング」だ。記事では、銀行で働く32歳の中国人女性の声を紹介し、「日本で買いたいものといえば、高品質の電子製品や生活必需品だ」と伝えたほか、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「日本を訪れる中国人観光客は、バブル当時の日本人がマンハッタンやハワイを訪れていた情景を思い起こさせる」と指摘した。

 産経新聞がこのほど、中国人観光客を対象としたビザ発給要件の緩和についてアンケートを行ない、反対と回答した人が89%に達したと報じた。これについて、中国外交学院国際関係研究所の周永生教授は、「日本人の中国人に対するイメージは過去のものであり、中国人の収入が増えるにつれ、状況は好転している」と指摘した。その一方で、「日本を訪れる中国人観光客はショッピングだけでなく、日本文化を体験し、日本の環境保護や都市管理などについても学ぶべきである。つまり、旅行の質を向上させるべきだ」との声も上がっている。