Archive for 11月, 2010

黄河の凍土が急速に後退、地球温暖化の影響で

 2010年11月11日、中国・黄河の凍土は1980年代以降、急速に後退していることが分かった。科学時報が伝えた。

 中国科学院寒区旱区環境・工程研究所の金会軍(ジン・ホイジュン)研究員が発見した。金研究員によると、黄河源流域の気温は毎年0.02度ずつ上昇、これに加え人類の経済活動が活発化している影響で、凍土の後退が加速。生態環境の悪化も深刻化している。

 80年代の氷の厚さの平均は2.35メートルだったが。90年代は2.23メートルに減少した。その原因は地球温暖化。90年代の平均気温は60年比0.6度増、70年比0.7度増、80年比0.4度増。この30年の平均気温の上昇幅は0.6度~0.7度に上った。

 金研究員は「もはや一刻の猶予もならない。黄河凍土の後退をいかに防ぐか、黄河源流域の生態系バランスをいかに保つかを早急に考えなければならない。関係部門の高い関心が寄せられることを願っている」と話している。

国産大型旅客機「C919」を初披露へ、珠海で航空宇宙ショー

中国国産機C919 2010年11月12日、民間航空機メーカー、中国商用飛機有限責任公司の責任者は、中国広東省珠海市で16日開幕する「第8回中国国際航空航天博覧会」で、中国国産大型旅客機「C919」の原寸大モデルが展示されることを明らかにした。中国民用航空網などが伝えた。

 今回の展示面積は2万3000平方メートルで、内外から約600社の航空宇宙関連企業が出展、各種航空機の実物が約70機展示され、過去最高の規模となる。30万人が訪れる見込み。

 C919のほか、地域路線用ジェット旅客機「ARJ21-70」が初のデモフライトを行う。

海南島の免税政策草案が完成、年内にも発表

 2010年11月10日、上海証券報は、中国財政部主導で制定している海南島の「離島免税政策」実施細則が完成したと伝えた。権威筋によると、年内にも発表されることはほぼ確実。海南島の現地筋によると、2011年1月1日に施行される。

 免税政策は、海南島の小売、航空、物流、ホテル、レストランなど各方面にとって大きな追い風になりそうだ。

広州アジア大会開会式の花火、北京五輪や上海万博上回る16万発!ギネス記録に申請

 2010年11月10日付の中国新聞網によると、中国の広東省広州市で今月12日より開催される2010年アジア競技大会の開会式で打ち上げられる花火の準備が完了した。北京オリンピックや上海万博を上回る16万発が打ち上げられることになっている。

 開会式の花火は熊猫煙花集団(パンダ花火グループ)が取り仕切ることになっており、同社の会長で大会花火打ち上げ指揮部総ディレクターの趙偉平(ジャオ・ウェイピン)氏によれば、花火によるパフォーマンスは中国や広州の文化を題材としたもので、海運で栄えた広州の歴史をモチーフとしており、うち3項目のオリジナルな仕掛けを含め、ギネス記録として登録申請する予定だという。

 北京オリンピック開会式で打ち上げられた花火は8万発、上海万博では10万発の花火が打ち上げられたが、今回の広州大会ではそれらを大幅に上回る16万発が打ち上げられる。趙氏によると、地上600mの高さを誇る広州テレビ塔では、「史上最高地点からの打ち上げ」として2万発が夜空を飾るほか、塔の北側に位置するメイン会場・珠江中洲の「海心沙」には高さ200m、幅130mという巨大な漢字をモチーフにした花火もあらわれるという。

 趙氏は、この花火がどのような漢字か明かしていないが、「広州を象徴する文字であり、人々の記憶に残るような素晴らしいものになるはずだ」と語っている。

上海万博閉幕イベント、民間パビリオンが最後に表現した“日本の今”

 2010年10月31日、上海万博の閉幕日に会場内の日本産業館ステージにて、ラストを飾るファイナルイベントが行われた。

 日本産業館の閉幕式では堺屋太一代表が挨拶を述べ、式典が厳かに終わると、静寂を打ち破るかのように始まったのは、三味線の吉田兄弟と人気DJのDAISHI DANCEによるコラボレーションライブ。和の伝統芸能と最先端クラブ・シーンが融合した、まさに“日本の今”を体現するパフォーマンスを繰り広げた。入場制限もかかったこの日、それでも聴衆は通路にまで溢れ返り熱狂の渦、最後はアンコールの大合唱が沸き起こった。

 出演した吉田兄弟は、「観客の皆様があたたかく、とても演奏しやすい雰囲気でした。万博に限らず他のアジアでも欧米でも、日本人にしかできない公演を意識的に行っていますが、その都度、日本人であることを再認識し、より日本に誇りを感じることができます。“和”“日本”の力に誇りをもって表現できているからこそ、今回のように海外の皆さまが熱心に聴いてくださるのだと思います」と語った。

 本番まで3時間待ったという張静さん(24歳、杭州市在住)は、「日本といえば科学技術が優れているイメージでしたが、音楽も非常に魅力的ですね。古典と現代の素敵なミックスに驚きました」と唸った。また、中国のインターネット上でも、ライブを観た人たちが「感動しすぎて死にそう!今も興奮して眠れない」「神の音楽を聴いた!!!」とのコメントが寄せられていた。

 イベントをプロデュースしたのは、郵便局等のBGMを制作している日本郵政グループの音楽レーベル「JP MUSIC」。担当責任者は、「日本の産業は、伝統を活かしながら革新を進めていくことで、世界でのコンピタンスを保持し続けるものと考えます。それを文化的に表現したのが今回のイベント。日本のコンテンツの魅力をこれほど多くの方々に肌で感じていただくことができて嬉しく思います」と語った。

 この日本産業館には半年間で約560万人が来館。その盛況にふさわしいファイナルイベントで幕を閉じた。

北京に“冬将軍”到来、次の週末13、14日には気温「氷点下」も

 中国の中央気象台によると、北京市はまもなく本格的な冬を迎える。13日(土)からの次の週末には、最低気温が氷点下になる見込みという。中国新聞社が報じた。

 北京市では7日、午前中は晴れたが午後は日差しが雲にさえぎられた。強い北風が吹いたため、気温は約摂氏4度低下した。市気象台によると、8日(月)からは、日中の最高気温は摂氏12-16度になり比較的暖かいが、夜間は冷え込む。

 10日(水)からは強い北風が吹きはじめ、13日(土)から14日(日)にはこの冬初めて、最低気温が氷点下になる見込みだ。日中の気温も摂氏10度ぐらいにまでしか上昇しなくなるという。

上海ディズニー運営会社設立 1期工事が着工へ

 新華社が伝えたところによると、上海ディズニーランドプロジェクトの開発・管理を担う上海国際旅游度假区管理委員会と上海申迪(集団)有限会社の設立式典が5日午前9時10分、上海で行われた。中国網(チャイナネット)日本語版が伝えた。

 米ウォルト・ディズニー社と上海申迪(集団)有限会社の上海ディズニーランドプロジェクトにおける協力事項に関する取り決めも同日午前、調印された。これにより、同プロジェクトの建設は本格的に始動することとなる。

 また一部では、上海ディズニープロジェクトの建設工事は今月にもスタートし、第1期工事は2014年に完工するとの見方もある。さらに、上海万博事務協調局の胡勁軍副局長が、上海万博の終了後に上海申迪(集団)有限会社の総裁に就任するという説もある。

 関係者の話によると、同プロジェクトで建設が予定されている道路7本のうち、2本については実行可能性調査報告がすでに承認され、第1期工事の用地受け渡しやプロジェクト入札募集に関する準備作業は終わりに近づいているという。上海の建築・建築材料業のウェブサイトからも、上海ディズニー及び関連プロジェクトの入札募集が全面的にスタートしていることがわかる。

衣類が暴騰、庶民を直撃、救世主は日本の「ユニクロ」

 中国北京の市民は、あらゆる物の値段が暴騰していることから、近づく「寒い冬」の到来に恐れをなしている。特に衣類の値上がりは想像を絶するほどで、北京のアパレル売場では、コート1着の値段が1千元以上する。台湾紙・聯合報が報じた。

 北京の監測データによると、下着やタオルなど綿製品の平均値上がり幅は13%~24%。このうち一番上がっているのは下着で、平均23%。原因は、中国本土の綿花生産高が昨年と一昨年に比べ1万トン以上減産しており、供給が約400万トン不足している状況にある。今年の黄河流域の多雨は、綿花の減産を招き、品質も下がり、総生産量は2割以上落ち込む恐れがある。アパレル業者はこの上ない苦境に陥り、そのマイナス影響は消費者にも及んでいる。

 寒さが続いた10月下旬、北京百貨公司は創業記念祭を華々しく展開した。出版業界で働く暁英さんは、北京新世界百貨のセール会場でお得な買い物をしようと出かけたが、衣服売場に一歩足を踏み入れた途端、創業祭なのに全く安くなってないことが分かった。6~7千元という暁さんの月給レベルはそれほど低くはないが、値引き後価格が1千元を超えるロングコートを前にして、「こんなの買える訳がないじゃない」と思わずうめいた。

 うなぎ昇り状態の衣類価格を相手に、暁さんはやむを得ず戦略を転換、「オフシーズンの掘り出し物」に狙いをつけた。つまり、「夏に綿の下着を買い、冬にスカートを買う」のだ。

 北京でマスコミ関係の仕事をする文静さん。洋服をほんの数枚買うだけでお給料がすっからかんになるため、最近はもっぱら日本のカジュアルブランド「ユニクロ」で買うという。「ユニクロはとにかく安い。上着1枚も49元で買えるのよ!」と喜んで話す。

“孫悟空”が大暴れ…静かな村に大猿出没、住民困惑

 浙江省寧波市江北区慈城鎮南聨村は、周囲を山に囲まれた静かな土地だ。銘茶として知られる龍井茶の生産地でもある。ところが最近になり大猿が出没し、食べ物をあさったり人を襲うようになった。とんだ“孫悟空”の大暴れで、住民は困惑している。中国新聞社が報じた。

 これまでに数軒が、猿に侵入された。猿は住民に向かって食べ残しの果物を投げつけ、命中させることもある。住民と警察官が魚網などで捕獲しようとしたこともあるが、建物の屋上に登り逃げてしまう。石を投げつけたこともあるが、屋上に伏せてよけることを覚えてしまった。鶏や卵を盗まれる被害もしばしば発生した。

 人に飼われた猿がはぐれたのだろうとの説と、野生の猿が生息地の外に出てきたのだろうとの見方があるが、よく分からない。アジアで多く見られるマカク類に属する猿とみられるが、国家二級保護動物であるため、殺すには法律にもとづく手続きが必要だ。警察は、できることなら麻酔銃は使用せずに捕獲したいと考えている。

 中国新聞社は、同件を「“猴哥”大鬧寧静村荘(“猿の兄貴”が静かな村で大暴れ)」の見出しで伝えた。「猴哥」は、孫悟空の愛称。孫悟空の「大鬧天宮」は、アクロバット・シーンが多い京劇などの人気演目。

中国メディアが振り返る「上海万博の効果」…行列の“美徳”

 中国初の国際博覧会で、過去最多の来場者数(のべ7308万人)となった上海万博がこのほど閉幕した。中国網は、上海万博を機に上海市のいたるところで行列が見られるようになった、と 「万博効果」の大きさを振り返っている。

 報道ではまず、上海市内にある幼稚園の前で、園児を迎えに来た保護者が行列を作る様子を伝え、これまでの送迎時にできていた、園の前をふさぐ人だかりによる交通渋滞が解消したと報じた。

 同サイトでは、上海万博を機に同市内で行列が多く見られるようになった原因を、万博の期間中、さまざまな優遇措置が撤廃されたことだと分析。高齢者や身体障害者、妊婦などを対象とした優先入場の制度が悪用されたことなどから、優遇制度を撤廃することによって、皆が行列を作らざるを得ない環境になり、それがより“平等感”を増したと伝えた。また、すきを突いて割り込もうとする人がいれば、周囲からブーイングの声や、武装警察の「厳重注意」などの“抑止力”が働くようになったことも大きいとして、「来場者はみな同じ」、「並べば報われる」といった意識がマナーを向上させたのでは、とも指摘した。

 このほか、トイレなどで一時的に列から離れる場合にも、行列を離れる前にどのあたりにいたかを証明する「臨時離列証」というチケット導入が、待ち時間のイライラを緩和し、安心して行列できる環境を整えたと説明。「万博は私たちに並ぶことを教えてくれた」と振り返り、行列には今後も、人々の我慢や公平さ、透明性が必要だと結んだ。