PostHeaderIcon 敦煌・莫高窟の壁画は消えてしまうのか?人材不足や資金難で保護活動進まず

 2010年9月15日、中国紙・第一財経日報は、敦煌・莫高窟の壁画がカビによる腐食や剥落(はくらく)など深刻な劣化が進んでおり、中には全く消えてしまったものもあるほどだと報じた。だが、資金難により保護活動はあまり進んでいないという。

 莫高窟は甘粛省敦煌市近郊の仏教遺跡。五胡十六国時代から元代まで1000年にわたり、無数の壁画が描かれ続けた。1900年にいわゆる「敦煌文献」が発見され、古代の歴史を知る貴重な史料として注目を集めた。1987年に世界遺産として指定されている。

 記事によると、劣化の原因の1つは吹き付ける砂嵐だが、その砂嵐は人口増加による緑化面積の減少でますます勢いを増している。また、観光客の増加により洞窟内の温度や二酸化炭素の量も上昇し、変色や剥落に拍車をかけている。こうした人的要因は自然浸食よりはるかに恐ろしく、専門家は「世界遺産登録後の数十年で受けた『人災』は、過去1000年の自然浸食を超える」と指摘。温家宝(ウェン・ジアバオ)首相も「莫高窟を第2の楼蘭王国にしてはならない」と危機感を募らせている。

 だが、その保護活動は理想通りに進んでいない。最初の活動は中華人民共和国が成立した49年。それから、82年、88年、04年と4段階に及ぶ活動が続けられ、ある程度の劣化や崩壊は防止できたものの、人材不足という壁にぶち当たっている。中国では壁画の保存・修復が専門分野として確立されておらず、専門家を養成する機関もない。

 07年には本格的な保護プロジェクトが始動したが、甘粛省はもともと経済が立ち遅れた地域。資金不足のため思うような活動が出来ないのが現状だ。敦煌研究院の樊錦詩(ファン・ジンシー)院長は「資金不足を補うには観光収入に頼るしかない。だが、保護活動にとってはマイナスだ」と矛盾を訴えている。

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