PostHeaderIcon コスト高の影響、クリスマスツリーにも

 2010年12月8日、米国の華字メディア・多維新聞によれば、各国のバイヤーが買い付けに訪れ、「世界の卸売り市場」と称される中国の義烏(イーウー)で、生産コストが上昇していることから扱う商品にも変化が生じている。ここは、クリスマスツリーのオーナメント生産拠点としては世界最大規模を誇る。

 ウォール・ストリート・ジャーナル中国語サイトの「中国実時報(China Realtime Report)」が独自に行った調査によれば、世界経済は金融危機から脱却し徐々に回復に向かいつつあり、それに伴って、義烏の卸売り各社の受注量も昨年比20~30%増となっているが、景気回復と同時に労働力コストが30%以上も上昇しており、受注増加を完全に打ち消すかたちになっているという。今年、義烏で働く工場労働者の平均月給は1300元(約1万6400円)で、昨年の1000元から急上昇している。また、原材料の価格上昇や供給不足も深刻。サンタクロースのオーナメント製造に使用する綿花は先月、25kgあたり260元から380元へと急騰した。よって今年、サンタの衣装は化繊で、詰め物は砂で代用しているメーカーも少なくないという。

 義烏にある400社余りのクリスマス用品生産企業はいずれも、安価で質の悪い材料を使った“手抜き”商品にシフトしはじめている。ここで生産される製品の90%は輸出用で、中国国営TV・中央電視台(CCTV)の報道によれば、米国内で販売されるオーナメントの70%は中国製。年々、値上がりを続けているそうだが、それ以上のコスト高が中国の生産企業に重くのしかかっている様子だ。

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