PostHeaderIcon 上海万博入場者数は順調に伸びているものの…このままでは赤字必至

 2010年8月8日、あっという間に開催期間の半分を過ぎた上海万博。その運営収支を黒字にするカギは「入場者数の確保」にあると、中国財経信息網が伝えた。

 万博運営にとって大きな収入源となるのが入場券、ライセンス商品の売り上げ、スポンサー収入だが、収支を黒字にするのは難しいことは歴代の万博で証明されている。92年以降で見てみると、セビリア万博(92年、スペイン)は2億1000万ドルの赤字、リスボン万博(98年、ポルトガル)も赤字5億5000万ドル、ハノーヴァー万博(00年、ドイツ)は10億ドルもの赤字となった。05年の愛知万博だけは9000万ドルの黒字を出している。

 過去の万博では収入の約50%が入場券によるものとなっている。つまり、「どれだけ人が入ったか」が運営収支を大きく左右すると言えよう。では、すでに開催期間の半分を過ぎた上海万博はどうだろうか?開催6か月で入場者延べ7000万人を目標としていた上海万博だが、開催から3か月の折り返し地点にあたる7月末の時点で延べ約3482万人に達し、ほぼ予定通り順調だと言える。

 しかし、無料入場券の人は約444万人にも上る。お金を払って入場した人は3038万人。入場券を1枚160元(約2020円)で計算すると、入場券による収入は約48億6100万元(約613億円)だ。このうちレストランなど飲食サービスを利用した人は延べ2160万人で、これによる収入は約20億元(約250億円)。お土産など小売販売による収入が約10億元(約125億円)、スポンサー収入は約40億元(約500億円)であることから、上海万博折り返し地点の収入は合わせて約118億元(約1490億円)。上海万博では会場整備など直接投資だけで約286億元(約3610億円)もかかっていることから、このままでは赤字は必至だ。

 それを回収するには、閉幕後の跡地利用にかかっていると指摘する声も多い。万博会場は上海市中心部にある一等地。再開発による経済効果に期待がかかる。どちらにしても、収支に関する答えはあと3か月後の10月31日になれば、全て明らかとなる。

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