PostHeaderIcon 上海万博総入場者3700万人突破!殺到する観客、事故防止のカギは?

 2010年8月8日、開幕100日目を迎えた上海万博は、これまでの1日の最高入場者数が55万7000人を記録し、総入場者数は3700万人を超えた。9日付の香港紙・文匯報は、人気パビリオンに殺到する観客に対し、万博関係者が事故や混乱防止でいかに工夫しているかを紹介した。

 上海万博の開幕以来、最も人気があるサウジアラビア館。「シルクロードにある船」の船内や世界最大の3D映画館を見るために、8~9時間行列することも珍しくない。これまでの行列人数の最高は1万3000人で、約4kmの行列が出来た。

 万博関係者が最も心配するのは、観客の殺到によって発生する転倒、踏みつけ、パニックなどの事故で、これらの対策に日々工夫を凝らしている。

 サウジアラビア館の入場者整理チームの責任者は「行列整理の方法は、大きな変更がこれまで10数回、小さな変更はほぼ毎日実施している」と語り、「開幕当初、直線だった入場待ちの行列は、現在は蛇行するように誘導している」と説明する。

 中国館など人気の高いパビリオンには「緊急ゲート」「緑色ゲート」「予約団体ゲート」を設け、炎天下の行列で体調を崩した観客や、妊婦、高齢者、身体障害者、団体客などのための対策も施している。また、トイレなどで行列を離れる必要がある人に対しては、担当者が「臨時離列カード」を発行して一時的に行列から離れることを認め、用事が済んだら元の位置に戻って並べるサービスも実施し、好評を得ている。さらに関係者は、ネットユーザー同士の万博情報の交換にも注目し、問題が見つかれば直ちに対策を講じている。

 毎日5万人以上の入場者を迎える中国館では、これまで安全に関するトラブルが一度も発生していない。こうした実績は、関係者のたゆまざる努力によって支えられている。万博開幕前のリハーサル期間中、中国館は約28万人の観客を迎え入れたが、関係者は当日の観客の流れ、分布、混雑の原因などを毎日ビデオで深夜まで検証し、対策を練ったという。

 また現在は、行列の途中にパビリオン紹介スクリーンを増設したり、専門チームによるパフォーマンスを実施するなど、観客のイライラを緩和する方策も施している。さらに、中国館では8月から電子予約券システムを導入するとともに、入場ゲートを現在の1つから8つに増設し、混雑緩和に努める方針だという。

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