PostHeaderIcon 中国の製造業、廉価品から高級品へシフト

 2010年12月11日、米紙ワシントン・ポストは「中国の製造業はハイエンド商品市場に向かっている」と題した記事を掲載し、人件費の上昇や人民元高の影響で中国の廉価製品の競争力が失われつつあり、メーカーはハイエンド商品市場へシフトしていると報じた。15日付で環球時報が伝えた。

 廉価なはずの模造品だが、最近はそうもいかなくなっている。その例として、英国のウィリアム王子が婚約発表をしてから24時間以内にネット上で販売された、ダイアナ妃の結婚指輪の模造品が挙げられる。これは中国の「廉価品、模造品」のシンボル的な市場である浙江省・義烏のメーカーが作ったもので、海外での小売価格は30~40ドルだという。

 模造指輪の製造原価は2ドル程度で、卸値は3~4ドル。しかし、義烏の人件費は毎年20%の割合で上昇し、加えて人民元高、原材料の値上がり、従業員不足、同業者間のし烈な競合などがあり、メーカーの責任者は「新商品を開発して競争力を高めるしかない」と語る。

 義烏では、一部の企業の輸出を完全に停止し、輸入によって国内ニーズを満たすという大改革を計画している。この計画は、「中国製品=廉価品」のイメージ脱却に力を入れている中国政府の遠大な計画の一部でもある。輸入によって国内ニーズを刺激し、国際的な問題となっている貿易黒字を減らす狙いもあるという。

 記事は「中国政府がこの政策を堅持できたなら、ウィリアム王子の弟・ハリー王子が結婚する際には、英王室の結婚指輪を中国がデザインする可能性もあるだろう」と結んでいる。

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