PostHeaderIcon 中国クレジット戦線「VISA VS 銀聯」幕開けへ

 今や海外旅行に欠かせないクレジットカード。中国ではこのほど、米クレジットカード会社「VISA」が今年6月に示した、中国のクレジットカード「銀聯(ぎんれん)」の国外での事実上の「利用不可」制度をめぐって大きく揺れている。中国新聞社が伝えた。

 VISAと銀聯との「対立」は、VISAが今年6月に「VISA、銀聯の双方の決済が選べるカードのうち、カード番号「4」から始まるものは、2010年8月1日から国外における銀聯でのカード決済や、ATM取引ができなくなる」との通知を発表したことがきっかけとなった。

 VISA社の中国エリアのスポークスマンは、「8月1日からの措置は、同社が規定する業務のグローバル化の一環」として、銀聯の海外進出を阻む意図はないと否定している。

 一方、銀聯サイドは、VISA側の決定に対して「誰もカードの所有者が持つ支払い方法に制限をかけることはできない」などと書面で抗議したほか、「対抗策」として、中国の大手銀行が発行する銀聯カードに、VISA決済において互換性のないICチップを標準装備するなど、両社間の溝(みぞ)を深めている。

 中国新聞社は、8月1日から始まったVISAによる同制度の導入で、カード所有者らの混乱は現時点で見られないと伝えた。

 しかし、銀聯カードではこれまで、国外での決済において、通貨手数料の1-2%を免除するサービスを行っていただけに、国外での「利用不可」は今後も利用者の反発を深めそうだ。

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