PostHeaderIcon GDPが日本抜いた中国、目立つ「有頂天になるな」の論調

 内閣府が16日に発表した日本の2010年4-6月期の名目国内総生産(速報値)は米ドル換算で1兆2883億ドルで、動機の中国のGDP(1兆3369億ドル)を下回った。中国でも大きく報道されたが、「1人当たりでは、日本の10分の1に過ぎない」などと、「有頂天」になるべきでないとの論調が目立つ。

 多くのメディアが「中国のGDPは、1人当たりでは日本の10分の1」と紹介。経済参考報は、中国が経済規模で世界第2位になったことは「一里塚としての意義があるが、1人当たりのGDPでは米国や日本にはるかに及ばない」、「中国経済には解決せねばならない問題が山積み」との声が多いと紹介した。

 中国新聞社は、トウ小平が唱えた「韜光養晦(とうこうようかい)」、「永不称霸」の言葉は、今も現実的な意味を持つと論じた。「韜光養晦」は、「日の当たらないところで力を蓄える」の意で、「永不称霸」は「力ずくで支配権を握ることは、永久にしない」だ。

 中国新聞社は、GDPが世界第2位になったことで「1人当たりのGDPは、世界平均の5割程度。中国は得意がるべきでないし、(自らの経済発展に)酔いしれてはならない」(香港・文匯報)、「GDPが第2位になったことは、ニュースとしての価値はあるが、経済的な意味合いはない」(シンガポール・星島日報)など、世界各地のメディアの見方も紹介した

 中国国際放送は専門家による座談会を紹介。出席者らは中国の成長は改革開放の30年の成果と評価した上で、「日本と中国には、まだ差がある」と指摘。「平均的な日本人の教育レベルは、中国人よりもはるかに高い」、「経済規模は、判断のための1つの数字だが、経済の質、持続可能性、環境や資源利用の問題を見れば、日本と中国の距離は、いまだに非常に大きい」、「日本は問題を処理する際には系統的・合理的で、人間性も配慮する。中国は日本を見習わねばならない」などの考えを披露した。

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