PostHeaderIcon 中国人観光客へのビザ緩和が開始、旺盛な消費意欲に期待

 観光などを目的に訪日する中国人の個人観光ビザ発給条件が、7月1日より大幅に引き下げられる。これに対し、中国の英字紙「チャイナデイリー」は、多くの外国人観光客の受け入れを通じて、日本は疲弊した経済を活性化させたいとの意図があると報じた。

 日本政府は中国人の個人観光ビザの発給条件を従来の年収25万元(約327万円)から年収6万元(約79万円)にまで緩和するほか、北京、上海、広州の3都市に限定して行われていたビザ発給も、重慶、瀋陽、青島、大連を含めた7都市にまで拡大する。

 岡田克也外相は、中国人への個人観光ビザの発給緩和の意図について、「発給対象を富裕層から中流層にまで拡大することによって、中国人の訪日観光客数を1600万人にまで伸ばしたい」と語った。日本観光庁の最新統計によれば、2010年の訪日中国人数は昨年同期比で86%増となっており、今年1年間で150万人の中国人観光客が訪日すると見込まれている。

 一方の中国人観光客にとって、日本を訪れるうえで避けて通れないのは「ショッピング」だ。記事では、銀行で働く32歳の中国人女性の声を紹介し、「日本で買いたいものといえば、高品質の電子製品や生活必需品だ」と伝えたほか、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「日本を訪れる中国人観光客は、バブル当時の日本人がマンハッタンやハワイを訪れていた情景を思い起こさせる」と指摘した。

 産経新聞がこのほど、中国人観光客を対象としたビザ発給要件の緩和についてアンケートを行ない、反対と回答した人が89%に達したと報じた。これについて、中国外交学院国際関係研究所の周永生教授は、「日本人の中国人に対するイメージは過去のものであり、中国人の収入が増えるにつれ、状況は好転している」と指摘した。その一方で、「日本を訪れる中国人観光客はショッピングだけでなく、日本文化を体験し、日本の環境保護や都市管理などについても学ぶべきである。つまり、旅行の質を向上させるべきだ」との声も上がっている。

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