Archive for 7月, 2010

長江上流域で大増水=三峡ダムの水位は間もなく過去最高に

 2010年7月19日、重慶晩報は記事「三峡ダムの水位が過去最高に=船舶の閘門通行も間もなく禁止」を掲載した。

 18日、長江の重慶市流域の水位は27.15メートルに達した。警戒水位より5.48メートル高く、ここ12年間の最高水位となっている。長江水文局は長江上流で大洪水が起きつつあると警告している。流量はまもなく毎秒7万立方メートル弱に達する見通しで、1998年の歴史的大洪水の5万立方メートルを大きく上回っている。

 長江中流にある世界最大級の三峡ダムも、数日内には建設以来最高の水位に達する見通し。18日現在の流入量は毎秒3万7000立方メートルと前日から1万立方メートル増加したが、19日、20日には6万5000立方メートルに達すると予定されている。流入量が4万5000立方メートルを超えると、三峡ダムの閘門(水位差を乗り越え、船舶を通行させる装置)は閉鎖され、船舶の通行も禁止されることになる。

上海万博サウジアラビア館、「熱い状態」が続く

 夏を迎えたサウジアラビアは50℃にせまる暑い天気に見舞われているが、上海万博のサウジアラビア館も大勢の観光客が殺到し、「熱い状態」が続いている。中国国際放送局が報じた。

 上海万博の開幕以来、サウジアラビア館はもっとも人気のあるパビリオンの1つだ。万博の統計データによると、サウジアラビア館の平均的待ち時間は毎日5時間以上に達する。

 サウジアラビア館の人気の理由について、中国のネットユーザー「jeannyberry」は「サウジアラビア政府は上海万博を非常に重視し、巨大な人力、物力、財力を投入した。6100平方メートルの建築面積は1番の中国館に次ぐ広い面積だ」と述べた。

 上海外国語大学中東研究所の朱威烈所長はサウジアラビア館が観光客に好まれる理由として、好奇心のほか、ハイテク技術の魅力にあると指摘。朱所長は「サウジアラビア政府は科学教育を非常に重視し、進歩を遂げた。サウジアラビア館の成功理由の1つはハイテク技術を利用し、サウジアラビアの発展成果を展示したことだ」と述べた。

上海万博の日本館で訪日旅行促進キャンペーン

 中国の人びとに日本の魅力を発信し、中国人の日本旅行を促進するため、日本観光庁は16日から上海万博の日本館で「VISIT JAPAN FESTIVAL」を行っている。

 16日、溝畑観光庁長官と国際観光振興機構の間宮理事長が出席し、「VISIT JAPAN FESTIVAL」の開幕式が盛大に行われたが、開幕式でもっとも人目を引いたのは京都から参加した舞妓(まいこ)たちだったという。17日、中国新聞社が報じた。

 「VISIT JAPAN FESTIVAL」は日本の豊富な観光資源を展示するコーナーと、舞妓による踊りや和太鼓演奏などの伝統芸能の演出が行われるコーナーに分かれているが、記事によれば、「舞妓の美しい容ぼうと優雅な振る舞いは、多くの観光客を引きつけ、一緒に記念写真を撮りたがる人びとが殺到した」という。

 また、日本館ではCGと写真の合成を利用して、来場者が日本の風景をバックに写真を撮影することができるサービスも提供しており、日本館のスタッフは「(日本の風景をバックにした)写真を見れば、今すぐ日本に行きたいとの願望が生まれるだろう」と期待を語った。

 なお、日本館には旅行代理店カウンターも設置してあるため、その場ですぐに日本旅行を申し込むことも可能だという。

日本製炊飯器が中国人に人気、想像以上の売れ行きに日本のメーカーも対応急ぐ

 2010年7月8日、日本華字紙・中文導報は「中国人旅行客、人気のみやげものは炊飯器=日本メーカーは対応に大慌て」と題した記事を掲載した。

 関西国際空港のある土産店には十数種もの炊飯器が並んでいる。日本人から見ると「なぜ炊飯器を売っているの?」と驚くところだが、実は人気アイテムだという。顧客は近年増えている中国人旅行客だ。

 昨年12月の開業以来、同店では炊飯器が売れ続けている。担当者は1日に5~6個売れれば十分と予想していたが、蓋を開けてみれば平均で1日15個。品切れになることもしばしばだ。2月の旧正月休みには1日で65個も売れたことがあった。1人の客が2~3個まとめ買いすることもあるという。

 頑丈なつくりで、価格4万円前後の商品が売れ筋。担当者は「中国よりも安く、種類が豊富。中国製だと中の釜が壊れることもあるようで、日本製の品質が評価の決め手。中国には『贈り物文化』があるため、まとめ買いする人が多い」と分析している。人気を受け、タイガー魔法瓶は中国の電圧に対応した製品の増産を年内にも始める予定。思わぬ好評にメーカーも対応に追われている。

 生活家電は消費者ニーズに合わせた細やかな商品開発が決め手となる。中国需要をにらみ、各企業は中国人向けの商品開発に力を入れている。パナソニックは中国人男性のヒゲが細いことに注目、刃の数が通常より少ない電気カミソリを開発したほか、花柄などの図案をあしらったドライヤーを開発、中国で販売している。ある大型電器店関係者は「中国人はお粥を作れる炊飯器を好む。今後は大きな市場になるだろう。マーケティングを踏まえた上で商品開発を進めて欲しい」と話している。

上海万博、2カ月で「90億円食べられる」…飲食店の総売上

 上海万博局園区商業管理服務部は15日、万博の開催から2カ月が経過し、会場内の飲食店では、売上総額が7億元(約90億円)に達したことを明かした。上海万博では今後、学校機関などの夏休み期間を迎え、来場者と店舗売り上げのより一層の増加を期待している。中国新聞網が伝えた。

 5-6月の統計によると、上海万博の公共区域内にある飲食店約131店舗は、のべ1226万人の来店により、5億4600万元(約70億円)の売上を記録した。また、パビリオン内にあるレストランやバーなど約80店舗は、1億5400万元(約20億円)を売り上げたほか、会場内のコンビニエンスストア10店舗、パン販売6店舗、テントなどでの販売拠点27カ所などは、売上総額2128万元(約2億7000万円)を達成した。

 中国新聞網は、万博の飲食業による売上額を「万博エリアの飲食で、7億元(約90億円)が食べつくされる」などと伝え、会場内で展開される旺盛な消費力を強調した。

 上海万博局園区商業管理部の林声勇部長は、「会場内での飲食業は、公共区域内にある店舗が主力」と語り、今後は夏休み期間でさらなる来場者増が見込まれることなどから、飲食業などのより一層の売り上げ増に期待を示した。

中国も豪雨で農産物価格が上昇、インフレ圧力は限定的

 2010年7月14日、中国南部の豪雨の影響で、国内農産物の価格に上昇圧力が強まりはじめた。関係者は、農産物価格の上昇で物価のコントロールは難度が増したが、インフレの圧力としては限定的と見ている。中国の複数のメディアが伝えた。

 民生部によれば、南部を中心に豪雨による洪水が発生し、10日12時現在、浙江、安徽、福建、江西、湖北、湖南、重慶、四川、貴州の9省・市に被害が拡大。農作物の被害面積は94万6500万ヘクタールに及んだ。うち収穫が不可能な面積は1万3390ヘクタール。うち最も深刻な江西省余江県では米の60%が収穫不能となった。同県では既に野菜価格が30-40%上昇したほか、大豆や落花生なども値上がりを始めた。

 中国では6月中旬以降、多くの地域が豪雨に見舞われ、農業に大きな被害が出た。全国の野菜平均価格は7月2日以降、4.7%上昇した。

上海万博で「たこ焼き」が大人気!飛ぶように売れる日本の軽食

 上海万博の日本産業館には1人3000元(約3万9000円)の本格懐石料理を提供する料亭「紫MURASAKI」がテナントとして出店しているほか、1食20~30元(約260円~390円)という手頃な価格でたこ焼きや関東煮、メンチカツといった日本の軽食を提供する店舗も出店している。

 中国新聞社が12日に報じたところによれば、日本産業館では最近、1日で2000~3000食も売れるほど、たこ焼きが高い人気を集めている。

 日本産業館のたこ焼きは、「道頓堀くくる」が提供するもので、人びとは目の前で実際に焼かれるたこ焼きを珍しそうにカメラに収めているという。道頓堀くくるの関係者は上海万博に出店した目的について、「世界の人びとに大阪の軽食を味わってもらい、日本の食文化を世界に発信したい」と語った。

 たこ焼きの原材料はすべて日本から空輸しているため、たこ焼きの販売価格は日本よりわずかに高い35元(約455円)だが、それでも飛ぶように売れている。道頓堀くくるによれば、1日あたりの売り上げは8万元(約104万円)に達するという。

 また、道頓堀くくるの隣の店舗「大阪屋」では焼き鳥や関東煮、メンチカツといった日本でも人気の高いメニューを10元~25元(約130円~325円)という価格で提供している。道頓堀くくると大阪屋の両店で日本の人気メニューを50元(約650円)ほどで堪能できることや、大阪への往復航空チケットが当たる抽選券がもらえることもあって、多くの入場者が日本産業館および道頓堀くくる、大阪屋に足を運んでいるようだ。写真は日本産業館の外観。

パウル君にあやかり! 上海万博で「幸福のタコ・スタンプ」登場

上海万博_0713 サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会はこのほど、スペインチームの優勝で幕を閉じた。上海万博の多くのパビリオンでは、スペインチームの優勝を祝う各種イベントを展開し、会場のお祭りムードをより一層盛り上げている。

 中でも、国際情報発展ネット館では12日、サッカーW杯でスペインの優勝をはじめ、8試合の結果を予想し、すべて的中させて世界中を驚かせた、ドイツのタコ「パウル君」にあやかり「幸福のタコ・スタンプ」を作成するなど、多くの来場者をひきつけている。中国網が伝えた。

 「タコ・スタンプ」は、同館の来場者アップを狙った「目玉」として新たに追加された。スタンプ・サービスの開始後は同館の読みどおり、パビリオンの内外にスタンプ目当ての来場者が殺到し、混雑を極めた。同館スタッフは館内の混雑緩和を目的に、パビリオンの外で順番を待つ来場者向けに“スタンプ代行サービス”を展開、「W杯特需」に気前よく応えた。

1200キロ泳いで上海万博会場へ 湖北省の56歳男性

 中国湖北省の男性が武漢から長江(揚子江)を約1200キロ泳いで上海万博会場を目指し、話題となっている。 電話会社に勤める鮑政斌さん(56)。鮑さんは7日、自宅がある武漢から遠泳を始めた。1日約40キロを泳ぎ、1カ月余かけて江西、安徽、江蘇の各省を経て、8月13日までに上海に到達することを目標にしている。

 中国紙によると、鮑さんは12歳のとき、武漢から船で上海に行った時に見た長江沿いの美しい風景が忘れられず、上海まで泳いで行くのが長年の夢だったという。しかし、鮑さんが魅入られた60年代の長江沿いの風景は今では大きく様変わり。各地に工場が建ち、専門家は工業排水で汚染された長江を泳ぎ続けるのは「命の危険がある」と指摘する。だが鮑さんは意に介さず、開始前に「どんな危険も自分で全責任を負う」と誓約書を書いた。

 食料や水は伴走する船から受け取るが、時には長江の水を飲んでしまうこともあるという。インターネット上では「夢を実現しようとする姿が素晴らしい」とたたえる声がある一方、「売名行為だ」「川が汚すぎる。やめるべきだ」という非難も相次いでいる。

ビザ取得制限緩和で中国人個人旅行客が倍増=2016年には600万人誘致へ-日本

 2010年7月1日より始まった中国人向け日本個人旅行ビザの取得制限緩和により、ビザ発行数が倍増したという。10日、中国新聞網が伝えた。

 日本・観光庁によると、昨年の中国人旅行客は101万人。ビザの取得制限緩和により2013年には390万人、2016年には600万人と急増させる目標を立てている。その希望を担うのが中国人旅行客。溝端宏観光庁長官は7月1日から瀋陽、北京を訪問、自ら日本旅行のPRに乗り出した。

 在中国日本領事館の統計によると、1日から8日までに発行された個人旅行ビザは1679件。制限緩和前と比べ、倍増したという。すでに日本では中国人旅行客の争奪戦が始まっている。三菱UFJ銀行は中国クレジットカード・銀聯カードと提携し、7月1日より加盟店の開拓に乗り出している。いち早く対応していたのが三井住友銀行。09年時点で銀聯カードが使える加盟店は1万700店を超えていた。使用額も前年日85%増の240億円に達したという。追いかける三菱UFJ銀行は3年以内に加盟店を3万店にまで増やし、使用額200億円達成を目標としている。

 このほかでもデパートや高級ブランド店は景気低迷の救世主として中国人旅行客に期待している。高島屋東京店は店内ショッピングにスタッフが帯同するサービスを打ち出した。一部の高級ブランド店は中国人店員の数を増やしているという。