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「西遊記」の舞台?日本人が知らない穴場観光地―雲南省昆明市

 2010年8月8日、景勝地が多く、旅行先として日本でも人気の高い雲南省・昆明に、日本ではまだあまり知られていない珍スポットがある。

 そこは、西遊洞という名の鍾乳洞。昆明の石灰岩地帯にある洞窟の一つで、中国全土からは引きも切らず観光客が訪れているという。昆明市街地から西北に約12キロメートルのところに位置しており、車だと30分ほどしかかからないので、昆明市民には日帰り行楽スポットとしても人気がある。

 なぜ、この西遊洞が中国人に人気なのか。その理由は、その名前からも類推されるように、中国が生んだ傑作冒険物語『西遊記』に関係している。
中国国内でも何度となく映像化されており、京劇の演目しても人気が高い、誰もが知っているあの物語。日本でも長く愛され続けているが、中国での人気はそれ以上のようだ。

 西遊洞の深さは4キロほど。洞窟内は、鍾乳石が天然記念物として厳重に保護されている日本の鍾乳洞では考えられない、息を呑むような工夫が凝らされている。

 なんと、鍾乳石が極彩色にライトアップされているのだ。そして、洞窟内には、三蔵法師を筆頭に、孫悟空、猪八戒、沙悟浄と、あのお馴染みのご一行の像も置かれている。その眺めは幻想的で美しく、物語の雰囲気をたっぷりと味わわせてくれる。

 しかし、この西遊洞、実は『西遊記』そのものには一切関係が無い。『西遊記』に詳しい方はお気づきだろうが、物語中には登場しない土地なのだ。実は、1993年制作のテレビドラマ『西遊記』(第2部)の撮影場所として使われたというだけなのである。
中国人の西遊記好きというのは相当なもので、それまではほとんど知られていなかったこの西遊洞、ドラマ撮影の舞台になった後、一躍メジャー観光地になったとの事だ。

 中国ならではの面白味を味わえるこの西遊洞。ぜひお勧めしたい穴場スポットです。