Archive for 2月 3rd, 2011
中国、旧正月を祝う…上海の名刹・初詣でにつめかける市民
上海市内の名刹、玉仏寺は2日夜から3日未明にかけて、多くの参拝者でにぎわった。3日の春節(旧正月)を祝うためだ。中国新聞社が報じた。
中国で、伝統行事の日程はおおむね旧暦にもとづく。現在のカレンダーによる「元旦」は“とりあえずの年越し”。人々が新しい年の到来を実感するのは春節だ。
中国ではまた、宗教に対する関心が高まっている。あまりにも急速な社会の変化についていけず、心のよりどころを求める人が増えたからとされる。そのため、初詣でにでかける人も、年ごとに増加している。
なお、中国には「年がわりの際に、魔物が出没する」との言い伝えがあり、人々は年越しの時期に魔物を追い払うために爆竹や花火を盛大に鳴らし、打ち上げる。実際には娯楽化しているが、火災や爆発事故も多い。
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◆解説◆
中国は、清朝を倒した中華民国成立時に新暦を採用した(1912年)。中華民国第2代臨時大総統に就任した袁世凱の政府は1914年1月、旧暦の元旦を「春節」、同5月5日の端午節を「夏節」に、8月15日の中秋節を「秋節」に、冬至を「冬節」と呼び、国民の休日にすることを決めた。うち、「春節」の名称が定着し、現在にいたった。
アジア各地で旧正月の行事
2011年2月1日、「外国人と中国人の春節(旧正月)にはどんな違いがあるのか?」と題した書き込みが、中国の大手ポータルサイト・鳳凰網の掲示板に掲載された。以下はその内容。
中国人の影響を受け、中国と同じように春節(旧正月)を祝う国は多い。言い換えれば、中国人が多く住む場所には必ず春節を過ごす習慣がある。それぞれの国ではどんな春節を過ごすのだろうか。以下にその例を挙げてみよう。
◆ベトナム
ベトナムで旧正月は「テト」と呼ばれ、中国と同じく1年で最も重要な行事。街は色鮮やかな正月飾りで埋め尽くされ、にぎやかな花市も開かれる。
◆韓国
韓国では「ソルラル」。家族全員で「トックッ」と呼ばれる雑煮のような餅入りスープを食べる習慣がある。伝統色が強く、厳かな雰囲気。
◆日本
昔は日本でも旧正月が年間の最大行事だったが、今は西暦の1月1日で祝うようになった。日本人は正月にデパートや家電量販店などで売り出される「福袋」を買う人が多い。
◆シンガポール
中国系が8割を占めるシンガポールでも当然、旧正月は年間最大の行事。中国伝統の真っ赤な灯籠やめでたい絵などが華やかに飾りつけられ、新年を祝う中国語の歌が鳴り響く。
◆マレーシア
福建省からの移民が多くミン南文化の影響を色濃く受けているマレーシアでは、パイナップルが縁起物。パイナップルの発音は「繁栄」と同じ意味を持つらしい。
◆モンゴル
モンゴルのツァガーンサル(旧正月)といえば、ボーズ(羊肉の蒸ギョーザ)とアイラグ(馬乳酒)。これを家族や親戚、友人らと飲み食いしながら、伝統楽器に合わせて歌い、踊る。
その他、欧米各国でも旧正月のイベントが多数開催されるが、中国人の居住エリアに限られるため、本場のにぎやかさには到底かなわない。