Archive for 10月, 2010

上海万博 愛知の女性再び「皆勤」

 2005年の愛知万博で185日間の期間中、毎日通った愛知県瀬戸市の主婦、山田外美代(とみよ)さん(61)は、31日閉幕の上海万博でも5月1日の開幕以来、全184日間通い続けた。愛知での経験を生かし、参観者が人気パビリオンを目指して走る危険を回避するための人員配置など、運営改善策も提案。多くの人と交流を深めた山田さんは「万博に国境はないと実感した」と喜びを語った。

 地元メディアから取材攻勢が続き、参観者やボランティアからは「万博おばあちゃん」などと呼ばれて一躍人気者に。イベントにも引っ張りだこで、カタールやチリなど各国の記念行事にも招待され、会場で最も有名な日本人となった。最終日の31日には万博事務局から全日程制覇を表彰された。

 同日の関連行事であいさつした中国の温家宝首相は、「世界と中国の友人が共に集い、友情を深めた」例として山田さんに言及。「万博おばあちゃんと呼ばれ、4年前から18回にわたって訪中し、開幕後は毎日入場した」と紹介した。

 開幕約5カ月前から上海に移り住み、定年退職した夫の鐘敏(かねとし)さん(60)、中学教諭を退職した長男の和弘さん(37)と共に会場を歩いた。開幕から38日間で全館制覇。9月14日に2巡目も終えた。訪れた場所はパビリオンのほか、臨時展ブースなど384カ所。パビリオンの記念スタンプや出会った人との交友が書き込まれた分厚いノートも2冊目になった。

 地元紙が行った会場運営に関する意見交換会では「参観者が会場内を走って危険だ。ボランティアらをジグザグに配置すれば速度を落とせる」「パビリオンの行列の真ん中にゴミ箱がある。行列が折り返す角に置けばにおいもこもらず、回収も便利」と提案し、すぐに取り入れられた。

 出会った人々には、千代紙で作った小さな日本人形を張ったしおりを配って日本文化を伝え、終盤にはボランティアらに感謝の気持ちを書いたカードなど数百枚を渡した。半年の「万博生活」で家族に共通の話題が増え会話も弾んだ。「家族のきずながより深まったのも上海万博のおかげ」と話している。

世界各国の青年の代表が、上海万博青年フォーラムに出席

 「青年・都市・未来」をテーマとする中国2010年上海万博青年フォーラムが10月29日、上海万博センターで行われた。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 世界各国の約500人の青年が「革新、低炭素、調和のとれた社会」などのテーマをめぐって、調和の取れた世界の構築、すばらしい都市の建設、幸せな生活の創造などについて共通の見解を示した。

 中国共産主義青年団書記、全国青年連合会副主席の盧雍政氏がフォーラムで、「青年は都市発展の理念のリーダー、発展プロセスの参加者、革新実践の推進者と、すばらしい未来の創造者になるように期待している」と語った。

上海万博、7000万人が詰めかけた祭典、旅行収入は約1兆円

 2010年10月28日、解放網は記事「国家旅遊局局長:万博は800億元の旅行収入をもたらした」を掲載した。

 国家旅遊局の邵[王其]偉(シャオ・チーウェイ)局長は取材に答え、上海万博関連の旅行収入は800億元(約9690億円)を超える見通しだと明かした。上海万博は入場客延べ7000万人の目標を達成した。うち350万人が外国からの旅行客。

 中国旅遊研究院の試算によると、上海万博がもたらす直接的な収入は800億元を超える見通し。長江デルタ地域の旅行業及び関連産業に与える影響は大きい。万博期間中、長江デルタ地域主要都市の道路・鉄道・航空旅客数、宿泊・外食産業は20%以上もの高成長を記録した。邵局長は「多くの旅行客を集める中、重大な事故がない、安全な万博を開催できた」と胸を張った。

上海万博、目標の7000万人突破

【上海現地旅行社】中国上海市で開催中の上海万博は24日午前、5月1日の開幕から177日目で累計入場者数が目標の7000万人を突破した。入場者数「史上最多」を掲げた上海万博は、今月31日の閉幕まで7日残して早くも目標を達成し、中国当局のメンツを保った形だ。

 5月の開幕直後は事前の予想とは裏腹に入場者数が伸び悩み、一時は開催期間184日間での7000万人達成は困難との見方も出ていた。しかし、その後、地方の団体客や上海市内の学生らを大量動員して入場者増につなげた。10月16日には閉幕を前に駆け込み入場者が殺到し、1日の入場者数が初めて100万人を突破。万博史上最多だった大阪万博(70年)の約6422万人の記録を抜いた。万博事務局は24日「出展者、来場者と共につくった新記録。来場者の熱意と参加に感謝し、出展者の理解と支持、協力に感謝する」とのコメントを出した。

赤いブルース・リーいっぱいの上海万博

赤いブルースリー?!(上海万博) 上海万博では、パビリオンだけでなく屋外にもさまざまな展示がある。写真は赤いブルース・リー(李小龍)の彫刻を大量に並べた芸術作品。よく見ると、跳ね上げた足の先にさまざまな物をのせている。訪れた女性客も、思わず「あちょー!」のポーズで記念撮影。中国新聞社が報じた。

 上海万博は10月31日までの開催。28日正午(日本時間:同日午後1時)現在の、累計入場者数は7165万4700人。1970年の大阪万博の6421万8770人を抜き、万博の動員者数の記録を更新中だ。

「世界最速」上海・杭州高速鉄道が開通

上海-杭州高速鉄道 2010年10月26日、中国の上海市と浙江省杭州市を結ぶ高速鉄道「滬杭高速鉄道」が開通した。試運転で世界最速の時速416.6kmを記録した最新の車両・CRH380Aが投入され、上海市と杭州市をわずか40分で結ぶ。新聞晩報が伝えた。

 最新の設計、設備を備えたCRH380A車両は速度だけでなく安全性や安定性も高く、乗客の快適性もきわめて高いとされている。車内サービスも高い質を誇り、キャビンアテンダントの教育も徹底されているほか、レストランやカフェ・バー、弁当などを販売する売店も備えており、乗客の反応も上々だという。

 7月には上海市と江蘇省南京市を結ぶ「滬寧高速鉄道」も開通しており、上海市と南京市、杭州市の3都市が1時間圏内となる「新たな時代に突入した」と報じられている。

上海万博、終了まであと5日…北京のバス「閉幕記念乗車券」発売

 北京公共交通集団(北京公交)はこのほど、上海国際博覧会(上海万博)の閉幕を記念する「閉幕記念乗車券」30万枚を31日限定で発売すると表明。上海万博の終盤の盛り上げに貢献する。中国網が伝えた。

 記念乗車券は3タイプあり、乗車券の額面はいずれも1元。30万枚の限定販売で、路線バスの1番、2番、52番、300番内外環、800番内外環、特8番快速内外環など、約54路線の車内で販売されるというが、実物写真などは現時点で公開されていない。

 記念乗車券は通常のものと同様、バスの当日利用および乗車1回のみ有効。同集団は今回の記念乗車券の発行で、上海万博の終盤を盛り上げる。

日立製作所、中国・大連市と循環経済分野で協力合意

 日立製作所は中国・遼寧省大連市と資源リサイクル、低炭素経済分野で合意に達し、24日に東京で開催された「第5回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」で調印を行った。中国網が伝えた。

 具体的な合意内容は、市郊外に建設中の「大連生態科学技術創新城」プロジェクトにおける建物・住宅エネルギー管理など関する協力、長興島臨港工業地域および大連市街区の高効率水循環プロジェクトに関する協力、大連市で資源リサイクル業務に従事する企業向けの家電リサイクル技術、工場建設、経営経験に関する情報提供の3点。

 今回の協力合意は、2009年11月に同社が中国国家発展改革委員会との間で取り交わした『資源循環および低炭素経済協力に関する備忘録』を踏まえ、国家発展改革委員会の指導の下になされたもので、今後同社は大連市政府のサポートのもとで、現地の関連企業や機関と協力活動を展開して行くことになる。

 中国網の記事は、今年創業100周年を迎えた日立が、グローバル規模の「社会イノベーション事業」を展開、特に中国をはじめ日本からアセアン、中東の24カ国・地域をカバーする「アジアベルト地域」における生態環境重視の社会インフラ作りを重視しており、9月には天津市浜海地区とも技術提供に関する合意契約を結んだと紹介。そして「今後中国国内の各都市とも協力関係を結んでいくものとみられる」と伝えた。

万博出店で自信 日本の洋菓子店「モンシュシュ」が上海上陸

 中国国際放送局によると、「堂島ロール」で日本のロールケーキブームを巻き起こした洋菓子店「モンシュシュ」社(本社は大阪堂島)は22日、上海環球金融センターで初の海外直営店である上海総店のオープニングセレモニーを行った。

 「モンシュシュ」上海店は店舗面積120平米、上海一の高さを誇る環球金融センターの地下1階にある。現地販売員10人のほか、大阪からの製作スタッフ6人が常駐しており、本格的な美味しいスイーツの提供に努めているという。

 会長の金美花さんは「上海は今世界で一番元気な町。日本発の素晴らしい商品を海外に届けていくには、まずはここで成功を収めたい。今はコストよりも味を重視している」と語り、「これからは 『メイド・イン・ジャパン』、『フロム・ジャパン』のみならず、中国だけで開発したスイーツも作って販売していく」と意気込みを見せた。

 金会長はまた、「上海進出の準備は1年前に始まり、最初は迷いもあったが、万博でテスト的に出店した結果、味のおいしさが評価され、人びとの価格の感覚も日本と違って幅があることが分かった」と確かな手ごたえを感じたことが進出につながったと話した。

 開店式典であいさつに立った泉裕泰日本総領事は、モンシュシュの開店は「中国の消費者に対し、日本の洗練されたスイーツの食文化を紹介するまたとない機会だ」と評し、中国において「日本食ブランドに対する信頼の更なる向上」に寄与していくよう期待を見せた。

 モンシュシュ社(フランス語「私のお気に入り」の意味)は2003年、双子の姉妹である金美花(社長)と金春花(専務)により大阪の堂島で設立され、わずか7年で年商60億円の高成長を成し遂げ、現在、名古屋、東京、北海道、広島など日本全土へ展開されている。上海店はその海外進出第一号店だ。

上海万博閉幕まであとわずか、今週末にも入場者数7千万人突破へ

 2010年10月21日、上海万博の入場者が73万2700人を記録、累計で6800万9700人に達した。今週末にも目標の入場者数7000万人が達成される見通しだ。22日、解放網が伝えた。

 5月1日に開幕した上海万博。10月31日に閉幕するが、10月15日以来、1日の入場者数が60万人を割ったことはない。23、24日は一般客が入場できる最後の週末(30、31日は特別券が必要となる)だけに、大入りが予想される。

 先週末は16日に103万2700人、17日に74万4900人が入場、1日あたり入場者数記録を更新した。今週末も同様の混雑が予想され、目標としていた累計7000万人突破が達成される見通し。主催者側は入場客にピーク時を避けるよう呼びかけている。