PostHeaderIcon 全日空が格安航空に参入へ、11年度下期に運航開始

ANA全日空(イメージ)[東京 9日 ロイター] 全日本空輸(ANA)<9202.T>は2010年末に香港の投資会社ファーストイースタン投資グループ(FE)と共同で格安航空会社(LCC)を設立し、11年度下期から運航を開始すると発表した。

 資本金は100─150億円を想定。出資比率は国内投資家66.7%(うちANAが40%未満)、FEが33.3%。ほかの出資者は今後募る。関西国際空港を拠点とし、ANAとは別ブランドで国内線・国際線の低コスト運航を手がける。代表者、資本金、商号などの詳細は設立準備組織で検討。就航3年目以降に黒字化を目指す。

 ANAの出資比率を40%未満にしたことについて、井上慎一アジア戦略室長は「親会社といかに独立した事業体を確立するか検討した結果」と語った。

 小型の単一機種が空港間を単純に折り返すパターンで低コスト運航を実現する。基本運賃でカバーするものを目的地への移動に特化し、ほかのサービスは顧客の求めにより有償で行う。運賃は新会社が決めるものの、現在に比べて30─50%引きをターゲットとする。ANAが就航している路線と重複する可能性もあるが、既存顧客を奪うのではなく、新規顧客を生み出したいとする。「友人・知人の訪問や冠婚葬祭などで利用するケースを開拓する。中国や韓国、東南アジアなど、個人所得の上がってきた地域からの訪日顧客を狙う」(井上室長)。

 関空を拠点とした理由について、24時間発着可能で国内線・国際線が就航していること、発着枠に余裕があること、アジアの玄関して立地条件がよいことなどを挙げた。就航1年目は5機体制、5年目までに15─20機体制とする。

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