Archive for 5月, 2010

上海万博のブルガリア館が閉館の危機=事務局への追加費用払えず?

 2010年5月11日、上海万博のブルガリア館が開幕からわずか10日で閉館の危機に陥っていることが分かった。環球網が伝えた。

 ブルガリアメディアが伝えたところによると、万博事務局は数日前、ブルガリア館の責任者に対し、14日までに追加の「パビリオン費用」を支払うよう通達。支払えない場合は、パビリオンを閉鎖すると伝えてきた。同館の責任者は「これまで支払った費用だけでは10月末の閉幕まで運営が維持できない」と話している。

 ブルガリア館は敷地面積324平方メートル。「現代と過去」をテーマに、紀元前にバルカン半島を支配していたトラキア人の黄金の宝物などが展示されている。

国際色豊かな上海万博パビリオン「観客を15分引き付ければ合格レベル」

 2010年5月8日、台湾・中央通訊社は「上海万博会場はまるで国際空港のようだ」と題した記事を掲載し、入場者が国際色豊かな各国パビリオンに満足している様子などを報道した。環球網が伝えた。

 記事によると、万博会場では「これから、イタリアへ向かう。そっちは?」「こっちはサウジアラビアにいる。ここは素晴らしいよ!」など、国際空港を彷彿させるような会話が至る所で繰り広げられているという。

 面積約5.28平方キロメートルの巨大な万博会場には、合計75のパビリオンがある。中でも中国、米国、日本、イタリア、フランス、ドイツなどのパビリオンに人気が集中し、入場には最低2~3時間の行列を覚悟しなければならない。1日にせいぜい5館を参観するのがやっとで、全館をじっくり見て回るためには7回の来場が必要になるという。ただし、通算7回入場できる回数チケットは900元(約1万2200円)と高額。平日の1日入場券でも160元(約2200円)と庶民の懐にはかなり響く。

 しかし高いチケットを購入したうえに行列して観覧したある入場者は「それだけの価値がある」と満足している。上海にある某台湾企業の会長は、仕事の関係で万博会場をすでに10回以上訪れ、国家パビリオン約30か所を観覧したという。同氏は「ある国家パビリオンは非常に混雑しているが、内容が乏しく3分もあれば見終わってしまう。また、別のパビリオンは巨額を投じて作ったにもかかわらず、何が言いたいのかさっぱり分からない」と批判する一方で、「一部は本当に素晴らしい。彼らのもてなしの心遣いが十分に感じられる」と絶賛する。「観客を15分以上引きつけられれば、それは素晴らしいパビリオンだと評価してもよいだろう」と感想を語っている。

日本が中国人観光客へのビザ発給を大幅緩和、4億人が対象へ

 日本政府は7月1日より中国人観光客へのビザ発給条件を大幅に緩和する予定であることが分かった。9日、中国新聞網が伝えた。

 8日、外務省及び国土交通省、法務省、警視庁などが協議を行い、7月1日から中国人の個人ビザ発給条件を大幅に緩和することで一致した。観光産業の振興が目的とされ、政府は5月中にも正式に決定する。

 日本政府は2000年に中国人の団体旅行を解禁し、09年には年収25万元(約325万円)以上の富裕層に限定して個人観光ビザを解禁した。現在は北京市のほか、上海、広州の3都市でビザの発給が行われている。

 緩和後の条件については明らかになっていないが、大手クレジットカードを所有していることや、政府機関もしくは大企業で課長クラス以上であること、年収3~5万元の中流階級などとなる可能性があり、4億人が対象となる見通し。

 また、ビザの発給が行われる都市についても、現在の3都市から重慶や瀋陽、青島、大連にまで拡大される見通し。

 当社では、中国(台湾を含む)から訪日のお客様もご案内させて頂きますので、ご相談下さい。

富裕層狙い?上海万博のイラン館に5600万円の絨毯がお目見え

 上海万博のイラン館の2階に展示されているペルシャ絨毯(じゅうたん)は、鮮やかな色彩で注目を集めているが、特に人目を引いているのがその値段だ。ここで10万元(約134万円)を下る絨毯は「安物」で、最も高い絨毯は、横22センチ、縦17センチがなんと380万元(約5600万円)もする。チャイナネットが伝えた。

 スタッフによると、ペルシャ絨毯の価格は材質や織密度の違いで決まり、一般的にシルクのものはウールより高く、織密度が高ければ高価になる。上記の380万元の絨毯はシルク製で、虫眼鏡を使って20年かけて作られたそうだ。

 イラン館のスタッフによると、万博が始まってから売れたのは、数万元台の手ごろな価格の絨毯だという。

ボランティアが手の行き届いたサービスを上海万博来場者に提供

 上海万国博覧会が開幕してすでに1週間が過ぎ、ボランティアの笑顔や熱心なサービスが来場者に深い印象を与えている。中国国際放送局が伝えた。

 上海万博には7万人のボランティアがおり、ほとんどは上海の各大学から選ばれ、外国語レベルを含む総合素質が高い人材だという。中国メディアは、「多くの外国人来場者も手の行き届いたサービスを受けることができている」と報じた。

酷暑と混雑でグッタリ…ところ構わず休憩する上海万博入場客が続出

 2010年5月2日、上海万博が開幕して2日目を迎えたこの日。開会ムードを盛り上げる様な晴天は、この日の最高気温を30℃にまで押し上げた。来場客は混雑の熱気と照りつける太陽の二重攻撃に遭い、中にはグッタリしている人も見かけられた。チャイナフォトプレスの報道。

 世界各国の文化や最先端の科学技術に触れる絶好の機会。人気パビリオンでは入場待ちに数時間を要するものもあり、万博を満喫するのもひと苦労。折しも、5月1日はメーデーということもあり、日本と同じくゴールデンウィークと重なったため、その人出は相当なものであった。

 広大な会場のあちらこちらには、ところ構わず休憩をとる人々の姿が・・・。ベンチに足を投げ出す、横たわる、靴を脱ぐなどはお手の物。人混みをしり目にぐっすりと寝入る者も続出していた。

 これからもっと暑くなる季節を迎えるだけに、対策をして見学をお楽しみ下さい。

上海万博の日本料亭1人3000元でも予約が殺到!

紫MURASAKI 静かな和室で芸術品のような手の込んだ料理。紫色の着物姿の仲居が丁寧に料理を出し、窓の外には霧が立ち込める。上海万博の日本産業館にある料亭「紫MURASAKI」は、1人3000元(約4万1000円)の本格的な懐石料理を出しており、総支配人の柿沢一さんによると、5月と6月の予約はすでにいっぱいだという。チャイナネットが報じた。

 日本では料亭は私的な場所で、懐石料理は日本のトップレベルの料理の技と味を代表する。日本産業館前のにぎやかな小道を通り、産業館の片隅にある「紫MURASAKI」の木の戸を引くと、外の喧騒とは明らかに違う世界が広がっていた。階段に立った2人の紫色の着物を着た仲居が「いらっしゃいませ」とあいさつし、上履きに履きかえて仲居の案内で木の床を通って奥の個室に向った。

 個室は明るい色で統一され、長テーブルには8人が座ることができる。窓の外は竹で囲まれた庭で、澄んだ水の上には松の木が見える。そして庭の底から立ち上った霧は庭全体を包み、竹も松も霧の中で見え隠れする様子は、まるで温泉の水蒸気を髣髴(ほうふつ)とさせる。

 柿沢一さんによると、庭の底には小さな噴水口があり、15分ごとに水蒸気が出るようになっており、料亭の5つの個室でこうした霧が広がる景色を楽しむことができるという。

 「紫MURASAKI」では、日本の懐石料理界で最高レベルの「菊乃井」「丹熊北店」「魚三楼」のトップレベルの料理人が腕を振るう。「こんな贅沢なグループは今回の上海万博の184日間だけで、日本でも前例がない」と柿沢さん。

 献立は夏と秋の2種類。その季節で一番良い食材を使っている。適切な食材を探すために柿沢さんは1年前に上海にやって来た。料亭で使っている食材の4分の3は中国産で、牛肉はオーストラリア、魚介類は日本産と、世界各地からも食材を取り寄せている。

上海万博記念コインが「価格高騰」、今後は乱高下の可能性も

上海万博記念硬貨 2009年6月に発行された上海国際博覧会(上海万博)の記念コイン・第1回セットの価格が、このところ高騰してきた。当局は、4月下旬に第2回セットを発表した。チャイナネットが報じた。

 09年に発売されたのは、金貨1枚・銀貨2枚の3枚のセット。3分の1オンス・純度99.9%の金貨は額面150元、1オンス・純度99.9%の銀貨は額面10元。金貨の最大発行量は5万枚、銀貨は各7万枚だ。

 当初は5000元(約6万8700円)以下と、低迷していた3枚セットの取り引き価格も、5月1日の万博開幕と前後して7200元(約9万8900円)程度に跳ね上がった。入手も困難な状況という。

 当局は4月22日、金貨1枚・銀貨2枚の第2回セットを発表。価格は6000元(8万2400円)以上で推移しているという。その他、記念切手も額面の2倍以上で取り引きされるなど、上海万博の記念コイン・切手はこのところ、価格好調だ。

 2008年の北京五輪大会の際には、記念コイン・切手の価格乱高下が発生した。業界関係者によると、万博関連商品で同様の状況が出現するかどうかは「分からない」という。ただし、万博は五輪と異なり半年間という長期開催であるため、購入希望者は貴金属地金の取引相場を含め、価格の推移をじっくりと確認することが可能という。

上海万博開幕入場者数が予想下回る、前売り券購入者の半数が来場せず

 2010年5月4日、上海万博開幕初日の1日から3日午後4時(日本時間同5時)までの入場者数は約55万人で、前売り券購入者の約半数が来場しなかったことが分かった。長江日報が伝えた。

 上海万博事務局では混乱を避けるため、労働節(メーデー)の3連休と重なる開幕初日の5月1日から3日までを「指定日」と定め、当日入場券の販売を行わず、3日間の入場者を前売りによる「指定入場券」のみに制限していた。指定入場券は1~3日各日ともに約35万枚が販売されており、3日間で約半数の50万人が来場を見送った計算になる。

 上海万博事務局の洪浩(ホン・ハオ)局長は2日の記者会見で、警備面や各種サービスで大きな混乱がなかったことから「ホッとした」と語っていたものの、現在までの1日平均18万人で計算すると期間中の予想入場者数は3312万人となり、目標の7000万人を大きく下回る。

 上海万博事務局は、入場者が少なかった原因について、日中の最高気温が30度を超えていることや、3連休の混雑を避けたとみられることなどを挙げている。

上海万博を訪れた子ども「長い列に並んでも、日本館のロボットは必ず見る」

 上海万博の会場内では、顔に好奇心と興奮をにじませた子どもたちが多く見受けられる。子どもを連れて上海万博を訪れる人びとは、「とても疲れるが、子どもに万博を見せることに価値がある」と語っている。中国新聞網が伝えた。

 10歳の息子とともに万博会場を訪れた男性は、「10歳の息子が万博のすべてを理解することは難しいかもしれないが、万博を通じて実際に得られる収穫は、学校の授業で得ることのできるものではない」と語った。

 また、浙江省台州市から訪れたという男性は、「万博には世界各国の技術や創意が集まっている。子どもが外国や未来について触れることで、子どもの成長にも潜在的な影響があるだろう」と述べたほか、男性の子どもは「どれほど長い列に並んでも、日本館で展示されているロボットは必ず見たい」と述べた。

 日本政府と企業が共同出展する日本館は「紫蚕島」(日本語名「かいこじま」)と呼ばれ、日中の文化のつながりや日本が取り組む環境保護問題のほか、日本が誇るさまざまなハイテクノロジーが展示されている。中国と保護活動を展開しているトキをモチーフにしたショーでは、トヨタが開発した二足歩行のロボットが登場するほか、キヤノンの超高精細・超望遠機能カメラ「ワンダーカメラ」が公開されている。